金について

金(地金)の価格が高騰しているのをうけ、金の売買が盛んだ。先物取引としての金の話だけではなく、日本の場合は金庫・家に眠っている地金やコイン、その他に金のアクセサリーを売ったり、買ったり。いつが売りか、いつが買いかなどは、売買の仲介などを行っている業者の独自の判断となっている。個人の売りが先行しているのは日本に限った話のようで、他の国々では価格がもっと上がる前に金を購入したい人のほうが多いようである。
世界各国にいる富裕層は、最近の通貨価値が流動的であることを受け、今後も価格が上がることが予想される金を購入するケースが増えているという。金は彼らにとって「安全資産」と認識されている。

さて金の価格、どれくらい上がっているのだろうか?過去5年間でみると、価格は約2倍。ざっとした計算であるが、2006年には円ベースで2300円/gであり、2011年現在は4600円/g。ただし価格変動は激しいため、2008年8月に1.5倍上がっているものの、同じ月に急落している。うなぎ上りではない。
ただし、最近は買い手が急増しているため、価格は高騰しており、先週NY市場で初めて1オンス(28.35g)=1900米ドルを突破している。
シティグループは、金価格予測を2012年は1オンス=1650米ドル、2013年は1500米ドルに引き上げた。従来予測では、2012年は1325米ドル、2013年は1225米ドルであった。

金の産出国で有名なのは、南アフリカ、アメリカ、オーストラリア、中国。ただし、産出量を増やしているのは中国のみ。2010年に、南アフリカを抜いて、中国は世界最大の産出国となっている。他には、インドネシアやペルーなどが上がってきており、また北朝鮮も注目されている。北朝鮮は、金以外にも大量の鉱物が埋蔵されていると言われている。

ただし、金はあと20年くらいで枯渇するといわれている鉱物。金の埋蔵量は5~6万トン。残っている金は、50m水泳用プール1つ分くらいとのこと。これから埋蔵されるものも含めると世界にはプール4つ分くらいしかないそうだ。

ご存知の通り、金は多くの製品に使用されている。日本の話だが、独立行政法人物質・材料研究機構のレポートによると、金、銀、鉛、錫の累積使用量は2020年の時点で現有埋蔵量を超えることが予想されている。※レポートのなかでは、上記以外の鉱物資源などについても累積使用量が現有埋蔵量と同じまたは超えることが予想されている。
そのため日本では”都市鉱山”が注目されている。古い電化製品などを回収することによって、鉱物資源をリサイクルするといったもの。“都市鉱山”に眠る鉱物資源量は、金、銀、鉛、インジウムは世界最大の資源国、銅、白金、タンタルについては世界第3位までに入る資源国にランクされるほどとなるようだ。
ただし現状では、携帯電話をとっても3分の1も回収できていないようで、課題は多い。また海外の国々が日本の“都市鉱山”に目をつけたようで、古い電化製品を回収し、国外へ持ち出しているとのこと。その昔“黄金の国―ジパング”とマルコ・ポーロに伝えられた国が、かたちを変えて“再・黄金の国”として話題となっている。近い将来、日本政府が古い電化製品の回収を義務化することもささやかれている。

米国では、砂金探しがブームとなるほどのミニ・ゴールドラッシュだとか。レジャー的な要素が強いようだが、それほど、金は今、世界を魅了している。
たった今、タイミングよく「金を売りませんか?」という電話があった。日本では、貴金属の悪徳買取業者が増え、問題となっている。田中貴金属にはRe:Tanakaというリサイクル事業があり、ホームページには買取価格が記載されている。日によって価格は変動するため、売られる前に、ご自身で必ずチェックされることをおすすめする。